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友人帳 ⑩ HARD PUNCHER

category: 友人帳  



 何かを得た時、何かを失っていく。
 
 その事実に目を背けて生き続けることはできない。

 失った物は元には戻らない。

 大切なもの。

 かけがえのないもの。

 それをなくさないために必要なもの。

 両脚に込められた揺るぎない決意。

 男は知っている。

 黙っていては何も始まらないことを。

 動き出さない限り、変革が起きないことを。
 


 
 
 6月のある日いつもの様にリハビリから病室に戻ると
 隣のヤンキー兄ちゃんが私服に着替えていた。

 「よっ!今日で退院なんだ、世話になったな。お前も早く退院出来るといいな」

 半年の刑期を終えにこやかに出所を迎えて
 相変わらず馴れ馴れしく話し掛けてくる。

 「お前、車椅子で動けるようになったんだからお見送りしてくれよ~」

 「お迎えに彼女が来てるじゃん、要らんだろ。そんな義理も無いし面倒臭い」
 と、ぶっきら棒に答えると

 「彼女じゃねーし」と顔を赤らめて彼女が答える
 「ばっばっばっバカちげーし」とヤンキー兄ちゃんも動揺しながら答える

 やっぱり面倒臭い

 「いいじゃねーか、リハビリがてらロビーまで」と、食下がる

 「んじゃ、ロビーまでな」と早く開放されたいので諦めてお見送りする事にした。

 ロビーまでの道中は相変わらず良く解らない武勇伝を聞かされた。
 本当に良く飽きないな^^;

 ロビーに着き出口を目指す途中、急に武勇伝を止め立ち止まるヤンキー兄ちゃん
 歩いている人を指を指して
 「うわっ、すっげー美人」などと口走った。

 とってもスィーツ脳です。

 コイツの美人は当てにならない
 何故ならば俺の姉ちゃんを可愛いとか言う程の目の悪さだ
 左程期待せず指差す方を見てみると
 スラリと伸びた身長、バランスの取れた手足、そして美しい長い髪
 確かに美人だ、しかし後ろからだ

 ふいにその女性が此方を振り返り、歩み寄ってくる
 ブッ、バカ指差されて気分を害してコッチに来たぞ?!
 と、動揺していると急速に接近してきた。

 アレ?見覚えが在るぞと思ったその時、両肩を叩かれた

 「あら、貴志君じゃな~いw久しぶり~」

 誰かと思ったらトッコさんであった。
 呆気に取られる二人を余所に

 「折角だからお茶でもしよっか、そこのスタバ行こ」

 「と、言う訳で達者でな!」と、ヤンキー兄ちゃんのお見送りはココで終了した。

 スタバで席に着くなりトッコさんの第一声は
 「ブログの内容が暗~い、折角PCあげたのに」
 とのクレームだった。

 入院生活で明るい話題が皆無、それに追い討ちをかけるような出来事が云々
 と色々と説明して次回より頑張ります、と回避した。

 その後、リハビリの進展状況を話して
 トッコさんのPSO2の話を聞いた。
 知らない人の名前がポンポン出てくるのには困った
 何故か俺が知ってる前提で話してるからだ^^;
 見当が付くのはゆにちゃん=ストーカー被害にあってるユニティさんくらいなものだろうか
 そして文菜さんがよく遊びに来てくれるんだ~と言った処で

 「文菜さんに事故から丁度1年経った日に起てたと言ったら
  記念日だね~って言われたよ、俺は忘れたいのに」

 「記念日っていうのはちょっとね^^;でもね、忘れたいのに忘れられないのは
  忘れようとする事で思い出されるからなのよ~私にもそういう経験あるし」

 そう言われて思わずハッとしてしまった。
 覚えていたい事は忘れるのに、覚えていたくない事はそうやって忘れられなくなるのだろうかと
 自分で深く記憶に刻み込んでしまっていたのか
 
 「そんなに考え込まなくてもいいの、忘れられなくてもいつか笑って話せる日が来るから
  それに貴方はまだ何者でもないんだから何にでもなれるはず不安よりも希望を今は抱きなさい」

 相変わらず話が突拍子も無い方向へ飛んでいくのに
 そう言われて思わず涙が出た。
 人前で恥ずかしいけど泣いてしまった。
 すると突然、暖かくて柔かい物が顔を覆った。

 「大丈夫、貴方は素晴らしい宝物を持ってるんだから大丈夫」

 「宝物・・・?」

 「そう、宝物。家族や友人、そしてPSOの仲間たちとの絆
  ごくありふれて見慣れた絆だけど、とても大切なモノなのよ、中々気付けないけれど」

 そう言って泣き止むまでトッコさんは抱きしめてくれた。
 女性特有の甘ったるいミルクの様な香りではなく
 日本酒の様なツーンとする香りがした。
 (もしかして飲んでた?)

 「何か今日は色々とすみませんでした。」

 「いいのよ~サヨナラこれで会えなくなっても君には続きがあるから
  君が創る世界なんだから走りなさい、自分に何が出来るかどうかなんて
  走り始めて初めて気付くモノだから・・・ね、頑張って」

 そう言ってトッコさんは帰っていった。
 まだ今は走る事は出来ないけれども
 いつか走り出します・・・
 いつかの痛みを超えて



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2015_08_12

Comments

 

記念日って言ったのは正直すまんかった、誤解されるような言い方だったね(´・ω・`)
ごめんなさい

トッコさんに立てたことを伝えようと思ったけど、機会が無くて・・・
ただ、直接会えたようでよかった!

また気が向いたらSkypeとかで話そうー!
文菜  URL   2015-08-13 01:29  

未来に向かって。 

心配してたけど、少し杞憂に済んでよかったかな?
また相談したいこととかあれば、言いたければ聞くからね~。
相談したいこと以外で雑談でも大歓迎だよ~。
Apfel  URL   2015-08-15 03:38  

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プロフィール

片瀬貴志

Author:片瀬貴志
Phantasy Star Online2
Ship3
所属チーム:Sweet * Momory

プロフィール画像は鈴蘭さんに描いていただきました。ありがとうございます!

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